拝啓 18の君へ
先月の22日、
僕は今年はひっそりと誕生日を迎え、30歳、人生の一区切りに到達しました
そしてその一週間後は妻の誕生日、同じく彼女も30歳です
時をさかのぼって12年前、
「30歳の誕生日にはバラを30本贈る」
などという口説き文句を発した18歳の僕、
その頃はそれが最高に甘くてロマンチックな行為だと、
そして30歳になった自分にはそんな行為はサラっとこなせる大人になっていると思ったんでしょう
この言葉に心動かされたかどうかは不明なものの、
結果的にそこから「お付き合い」が始まり、12年が経ち彼女は僕の妻として30歳の誕生日を迎えることになったわけです
となれば、約束は果たさなければならない、と言うより先送りにしていたツケを払うというか、
「映画 ドラえもん のび太の大魔境」の最終盤、「先取り約束機」で未来の自分たちに助けてもらった分、
今度はタイムマシンに乗って過去の自分を助けに行くときの心情というか・・・
拝啓 18歳の僕へ、
残念ながらバラの花束が似合う大人にはなれませんでした
(こういう話は本当は送られた側がすべきなんでしょうが、
自分でしちゃうあたりが僕らしいでしょ)
敬具