箱
「ここも箱にしますか?」
弊社の現場で、よく飛びかう会話の1つです。
何かというと、これ。
ベニヤでできた、文字通り箱なんですが、
物を入れるわけではなくて、ひっくり返して天井に設置します。
天井に四角い凹みを作って、その奥にダウンライトを付けることで、
照明器具の存在感を和らげる効果を狙っています。
主に、パブリックな空間では、こうしたひと手間をお願いしています。
箱は天井だけではなく、インターホン等の厚みのある機器を壁に付ける時にも
壁に箱を作って、壁面から機器が飛び出さない様にします。
箱自体はベニヤですし、大工さんにしてみれば作るのも朝飯前。
ですが、仕上がった時の空間の印象の違いは大きいと思っています。
「シンプル」というのは、過度な装飾をしないという事だと思いますが、
手を掛けない簡素な事を、それと勘違いしてはいけないと思っています。
手間を掛けてシンプルさの質を上げる、そんな仕事を目指しています。