拠り所
2週間後に、新規の住宅のプレゼンをさせて頂く土地です。
ほぼ四角で、面積も広い。
周辺は田んぼが広がっていて、特に視界に邪魔になるものもなさそう。
広くて四角くて周囲に開けた土地は、建物を造るには好条件だと思う。
日当たりもいいだろうし、風も通るし、無理に窮屈な間取りになることもない。
しかし、一方で、設計者の立場からすると、お題としては難しい部類になる事もある。
三角の土地であれば、三角の建物ってだけで、強い個性になる。
小さな土地であれば、必要十分な要素をうまく詰め込む事に、終始できる。
そういった分かりやすい「拠り所」がない場合、クライアントの要望に対して
より積極的に、こちらからアプローチして、スポットライトの当て所を探る必要が出てくるのです。
小さな要望を、敢えて大きく膨らませる事もひとつだろうし、
もしかしたら描いていらっしゃる事の逆を行うことも有効かもしれない。
いや、別にそんな面倒な事をしなくても、普通のプランは作れますよ。
けどほら「僕らに依頼してくれた」ことに応えたいじゃないっすか。
という想いで、思考が堂々巡りするのは目に見えています。
アイディアが浮かぶまでの、苦難の約1週間の始まりです。