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ここ数年、リフォームのご依頼を頂く事が
本当に増えてきました。
昔建てられた建物や、内装や、設備関係の寿命と、
世代交代の時期がうまく重なっているのかもしれません。
使える物は使いながら、という考え方も、
今の時代に合っているのでしょう。
先日も、築40年ほどの木造住宅のリフォームに向けて、
相棒の戸野部君と建物の調査に行ってきました。
木造住宅の場合、大工さんの知恵と経験に基づいて造られた建物が多く、
詳細な図面が残っているという事は少ないかと思います。
なので、まずは今建っている建物の図面を描く為に、
家の中をくまなくメジャーで測ってメモしていきます。
事務所に戻って、メモを見ながら図面をおこしていきますが、
やはり詳細が不明な部分も出てきます。
ですが、木造住宅の良い所は、ある程度寸法の予測がつくところ。
基本的には尺貫法に基づいた設計になっている事がほとんどなので、
表には見えない部分も、なんとなく想像ができます。
当時の大工さんが、どういう考えでココをこうしたのかな、と
考えながら図面をひくのは、推理小説の様でもあり、
建物と会話している様でもあり、いつもとは違った楽しさがあります。
RC3階建のリノベーションの基本計画が固まりつつあります。
そして、玄関のイメージはこんな感じになる予定です。
玄関の扉は装飾ガラスを嵌めこみ、透過光や反射を抑えかつ
採光を確保できるようにしました。
また、透明ガラスと装飾ガラスをランダムに配置することで、
視覚的に楽しむことができます。
天井はリビングの木貼りがそのまま続き、
玄関とリビングとの繋がりを意識しています。
シューズクロークに入る入口はアーチ状に形成し、
潜るだけで楽しくなるデザインになりました。
CGを作る私としてもどんどん作れば作るほど
楽しくなっています。
私の祖父は、大工でした。
口数が少なく、明治生まれの厳しい祖父でしたが、
お洒落でかこよかった記憶の祖父。
その祖父が建てた築47年の住宅をリノベーションする
お話を頂きました。
クライアントの母上の話では、47年前、この住宅を造っている時、
4歳だった私は、祖父に連れられ現場に何度も来たそうです。
私には当時の記憶は全くありませんが、
祖父はコーヒーが好きで、私をよく喫茶店に
連れていってくれたのですが、その途中で寄ったのかなと
想像しています。
祖父が造った建物に触れられた事、
その建物を再生(リノベーション)させて頂ける事、
祖父と世代を超えてつながってる事が、夢のようでとても嬉しく、
幸せを感じます。建築の仕事をやってて、良かったです。