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雑想ノート

いなご

by 渡邊 隆弘

古民家再生の本座敷の天井は、竿縁天井です。
和室の天井としては、とてもスタンダード。

一見、現在のスタンダードと、違いは無い様にも見えますが
150年前のそれは、その歴史を感じられる部分が多々ありました。

一つは...
無垢の板を使用していること。
現在は、ベニヤに薄い杢目の突板を貼った材料が
多く流通しているかと思います。

二つ目は...
天井板の木目が柾目を使用していること。
木目には、大きく分けて柾目と板目の2種類があります。
弊社では、中杢と言われる板目を用いる場合が多いです。
例えば、木曽川の平屋の和室も竿縁天井の板目(中杢)ですね。

弊社会長、大工さん曰く、
「むかしは、柾目の方が格式があったんじゃ」とのこと。

最後に...
その天井を裏から見てみると...
クサビのようなモノで、板と板を固定している物体が見ることができます。

『いなご』と呼ばれるモノで、材質は竹。
一つ一つ手で削ってカタチ作られています。
私は教科書でしか見たことがないです。

和室のカタチは今に引き継がれていますが、
その仕様と技術の違いを垣間見た貴重な機会でした。

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