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揖斐の平屋

AB

by 小川 賢二

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平面図の端っこに大きく書いた「A」と「B」。
打合せに際して、少しだけ内容の違う図面を用意しました。
建築には、敷地の広さとか予算とか、色々な制約がつきものですが、
今回は「全体の面積」という縛りの中で、間取りを考えました。
そこまで大げさに、違うプランってわけでは全然ありませんがw

全体の大きさと必要な部屋が決まっているわけですから、
どこかを大きくすれば、どこかが小さくなる。
当たり前の事なんですが、これを考えることで、
家の中での各部屋に対する優先順位が決められます。

何かしらの制約がないと、この検討さえしないかもしれません。
欲しいと思われる部屋を際限なく作ることができたとして、
まあ無駄がいっぱいになるんでしょう。

設計序盤での、こういう検討は本当に大事だと思います。
無駄じゃない。

建具

by 小川 賢二

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これは建具表という、扉やサッシの図面で、
丸の中に記号が入ったマークが、平面にたくさん散らばっています。
建物にある全ての建具にこの記号を割り振って、
その1つ1つについて、素材や寸法、ガラスの種類などをまとめます。

正直な事を言うと、この建具表は、僕が一番苦手な図面です。
難しいって事ではないのですが、非常に手間がかかるんですw
それはもう、単純に作業として、です。
同じ素材や形式の建具は同じ番号に、という風に整理するんですが、
「良く見たら、これもさっきのと同じ」みたいな事が起きると、
番号がずれたり、間に入れなきゃいけなかったり。そんな話。

最初にしっかりと予定を組んで進めれば良いだけなんですけど。
なんせ、そういう地道な努力ってのが、いまいち苦手なのでしょう。
今日だけでも、番号のふり直し、すでに3回目。

落書きじゃない

by 小川 賢二

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僕の手元にあるメモ紙です。
朝からこれで3枚目。

ご存じかと思いますが、図面はCADで描きますので、基本はパソコンの画面に向かって
仕事をするのですが、何かを考える時は、やはりこういう落書きが必要です。
必要というか、どこまで行っても、CADなんて線を引く道具でしかないので、
このメモの方が、思考の過程に於いては内容的には濃い。はず。
ですが、自分で見ても、そうは見えません。
今は建物の断面を描いていて、建物の高さとか屋根の向きとか、防水の納まりとか、
その全部が独立してるわけではなく、同時に解決しないといけない事ばかりなので
まさに頭の中も、このメモの様に混沌としています。

by 小川 賢二

玄関から入った正面に、和室があります。
畳コーナーと呼ばれる軽いものから、ぴしっとした座敷まで、和室と言っても色々ですが、
今回はわりと後者の、しっかりとした和室です。

正直な話、和室は難しいです。
慣れの問題もあると思いますが、それ以上に、センスが問われる気がします。
部材の寸法や材料に、様々なルールがある部分もありますが、それでいて決して雁字搦めではなく、
「わび」だとか「さび」だとか「粋」だとか、言葉で説明するのが難しい、感覚的な美しさ、
みたいな物が大事なんじゃないかと。
僕がそう感じているだけで、それさえ違うのかもしれません。

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幸い、事務所には沢山の参考資料や、過去の図面もありますので、
和室が必要な場合は、毎回勉強しながら、作図を進めています。

明確な答えが無い、というのは、すっごく難しいものです。

実施図面

by 小川 賢二

平面詳細図を描きながら、展開図を描いています。
今までの1/100の平面図と、内部、外部のCGを見ながら。
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平面図もCGも、いわば、「イメージ」みたいなもの。
なので、「実際、こんなのどうやって作るんやて」と心の中で
ブツブツ言いながら、それでも、よりイメージに近くなるように
図面を描いています。

立体の部屋を想像しながら、平面図と展開図を行ったり来たり。
で、実はこの時点で、まだ描いていない外観の立面図を想像してたり。

そうして関連する図面が増えるほど、問題点が増えていくんですよ。
そいつらが、ピシっと納まるのは、まだ、だいぶ、かなり先。
ということで、とりあえずモヤモヤしながら描いてます。

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